《新・新風青嵐の放談コラム‘07》涼風想秋の9月号

森羅の夢に果てるまで

「人生の夏休み」

 収穫の秋〜
 上々の出来秋を畑にいて感じたいところ…なかなか、Drの許可がおりなくてコーディネートの難しい黄色いギブス生活の延長を申し渡されて、腐りかけていたところにTVを見ると総理大臣が辞職…
 心も、身体も健康じゃなきゃ土塊の農夫も永田町のお父さん達も勤まらないのは一緒なのでしょう。(一緒にするな!って…怒られそう?)…が、私達の業界もこんな事では「農政改革にスピード感をもって…」なんて、霞ヶ関は旗を振っているけれど少なくそのフラストレーションだけが政策転換時に現場に集積しているようで、そのスピード感を感じることは出来ないでいます。所轄大臣の交代スピードはやたら早いですが…
 いっそ、自民党あらため“辞任党”として、解党的に出直すくらいじゃないと、「お疲れさまでした…」なんて、清く言葉がでてこないのが正直なところではないかと…(下々の思うことは所詮こんな程度〜?なんて、思われても困るけど…)
 ん…?そんなことより、自分のアキレス腱を何とかした方がいいって…?
 おっしゃるとおり〜

 さて、そんなグソグソになりかけの人生の夏休みを、秋の夜長に振り返ってみます。

【偶然力】
 野菜嫌いのランマくん(コラム8月号)が帰ってから間もなく、とびこみで短期のワーキングスティを受け入れることになったのですが、先方はこちらの情報をサーチして準備万端…ところが、受け入れる方はその方のパーソナルが見えませんから正直不安な部分もありました。しかも、専業主夫のアルジはギブスだし…
 しかし、ヒラリーの
「何とかなるんじゃない!お料理当番いるし〜、それに収穫の手間欲しいし〜」
…の、何とも現実的な判断で受入決定!千葉県在住の北海道ファンの青年(29歳、会社員、妻子有り)が単身、自家用車を走らせて我が家に来るのです。
 その彼、華奢なのに作る料理なんでも
「おいしいですね〜!特に、野菜が!」
と、誉めてくれるので料理担当の私はいよいよ腕に磨きがかかります。このあたりを機会に、TVの料理番組(キューピー3分間クッキングとか…3分なんかじゃ出来ない料理ばかりだけど〜)をよく見るようになりましたし、Yahoo!グルメのレシピ集をプリントアウトしては、料理の奥の深さを探求するのでした。
 ヒラリーいわく、
「トラクターに乗れるようになっても、お料理頼むわね〜」
と、ラブコールをもらったりしていました。

 その彼が帰る間際になってのある日、こんな怪我をして家族に迷惑をかけてしまったけれど、これを機会にやりたいことがあったんだ…と、うち明けてみるのです。
「実は、我が家のホームペ−ジを立ち上げたいんだけど…、そのための参考書買ってはみたものの、なんだかよくわからなくて病院のベットで挫折しちゃったよ…たははは…」
 に、彼が…
「私で良ければ、お手伝いしましょうか?」
!!!!!…そんなような…たぶんそっち方面に明るいだろうな〜と、感じていたので、私にしてみたら渡りに船。大大大ラッキー!
「えーっ!いいのかぃ?迷惑じゃない?」
キチキチの予定がないとのことで、延泊をしてもらい彼持参のモバイルPCをはさんで向かい合い、パコパコとキーボードの打点音が軽やかに打ち込まれていくのでした。
 HTMLを駆使しての、とりあえずは自己満足だけが先走りのホームページですが、家族や友人にもなかなかの評判で、改良を重ねている最中です。(わからないことだらけでしたので、本当に彼には感謝!)
 こんな出会いからこんな事もあるのかと、まさにアキレス腱との引き換えの偶然力〜
 人生の夏休みの最大にして、最高の収穫物…

「ひら農園」ホームページ〜http://hirafarm.web.fc2.com
 お立ち寄りになり、皆様のご意見など聞かせていただければ…

【食卓を考える】
 9/1
 概ね40歳の最後の誕生日〜
 「21世紀の食卓を考える会」の現地研究会が地元十勝は新得で開催されるというので、ぜひ生産者の声を聞きたいとオファーをいただき、久々のベシャリ仕事。
 「21世紀〜会」は、惣菜、バイヤー、中食関係者の親睦、研修を目的に各地をまわり豊かな食卓を提言していこうとする研究会ですが、生産現場の話や食育、WTOやいわゆる、割と難しくつまらない政策議論も真剣に聞いていただき、懇親会はアルコールも手伝って白熱の議論に…

 ただ、黄色いギブスが痛々しいのか、皆さんに気を使っていただき、しかもそのおかげで、で主婦(夫)業をしっかりちゃっかりこなしたことも、今回のミニ講演の話題提供に幅を持たせることが出来ました。
 料理の楽しさもさることながら、その煩わしさ、農業婦人の大変さを痛感…。
 ただ、やはり『美味しい!』の言葉に言い知れない快感を覚えて、“畑”(生産)―“台所”(調理)―“食卓”(生命)に見いだすものの真実をあらためて認識した次第。
 その、食卓の笑顔はひとを豊かにし、優しくもするのです。(なんちゃって〜)

 また、どういった訳か、お総菜会社(四国は松山)の美人社長に
「お話、感動しました…すてきですね、かっこいいです〜家庭でも良き父、良き夫なのでしょうね…」(→おねしょしそう…)
と、すっかり気に入っていただき10月に四国にお邪魔するところまで話がトントン拍子で進んでしまいました。それまでには、しっかりリハビリをしてお遍路参りで心の贅肉と厄をお払いしてこようと思いますが…
 もちろん、バイヤーさん同伴の真面目な研修の予定です。

【浮気して…】
 9/9
 アキレス腱を切る前に、大手町は農林漁業金融公庫から『農業・農村金融の新潮流研究会』のコメンテーターにと、オファーをいただきやる気満々のところにこのアクシデントギブス。
 なんとかそれまでに、ギブスがとれていてくれるようにと、猫かぶりの優良エコ患者を演じていましたが、結局Drから
「たぶん、また切れます…東京帰ってからはずしましょう〜」
と、ダメ出しをされて(肝心なときに無理がきかないんだから…)ある意味、健常者じゃない状態でしかも、前日入りは関東台風直撃の大荒れ予報…。関係者には(もちろん家族にも…)色々心配と迷惑をかけての東京出張を敢行!
ヒラリーいわく、
「そんなにまでして、東京の彼女に会いたいんだ…」
を背中に送りだしてもらうと、意外にも沢山の方たちに優しく親切にしていただきました。
 フライトアテンダント、ホテルマン、農林公庫研究会の教授、大手町の事務局女史…そして、すれ違う人達…日本人って優しい人ばかりなんだ〜を感じた次第…
 たまに、愛に飢えたとき松葉杖で歩いてみたりするといいかもしれません。

 さて、その研究会、大学の先生達の論文に対して現場の意見は?と、言うものでしたから、それなりの予習をしてなんとかやり切り、しかも府県のプロ農業者とは明らかに違う特徴的なことを“らしく”モンローチックにお話ししてきましたのでうけがよかったです。
 やはり、同席の府県の“プロ”はヘナチョコひら農園とはそもそも格が違います…が、しかし、“らしく”が一番際だったのが『産地』が果たす生産責任、産業使命を言うときでした。

「北海道畑作でよくわからないのは、なぜそんな儲からない“原料型作物”にこだわらないといけないのかということなのですが…」
(そーきたか…)
「いわゆる“適地適作”は同緯度の産地(EU、北米)からみて、降雪期間など大変厳しい環境から北海道開拓来140年間、選抜されてきたものです。
 しかも、今やその作物は輪作体系を基として農業を基幹産業としての位置づけを確固たるものにしてきました。畑作物、あるいは酪農の生産水準は先進地と言われるEUのレベルに追いつき、ものによっては収量、品質共に世界の最高水準までに達しています。
 その事は、単に農業者個々の努力のみではなくまさに産地が産地として取り組んできた証です。もしも、『儲からないから、や〜めた』あるいは『儲かるから、つ〜くろ』を勝手にやっていたのではここまでにはならなかったと思います。

 北の原料型作物、いわゆる政府管掌作物生産者は、たとえ食卓から遠くとも、実需者により愛されるものをより安定的に供給すると言う、生産責任、産業使命を果たしてきましたし、その事を公正に評価するといったものが、日本型直接支払制度、品目横断的経営所得安定対策なのです。
 少なくとも私達にはそれに応える自負と責任がありますし、また、それを支えるシステムとして北海道農協畑作・青果対策本部委員会で決められる作付、生産指標があるわけで、自主ルールとしてみんなが守らなくてはいけないことを、過去、現在と生産者規範にしてきました。

 一方、米政策の『集荷円滑化対策』はすでに、制度疲労をおこしているとの指摘がありますが、それは“売れる米”であれば自分勝手に作れば、あるいは売れればいいんだ…の生産者が自らの首を絞めていることに起因すると思うのですが…ちょっと極端でしょうか?
 道産米の生産環境、販売環境が好調で、安定的なのはたとえ不公平感があったとしても、系統集積により集荷円滑化対策に9割以上の生産者が加入して、“産地”として生産責任を果たし得る最低限のルールを皆が守っているからです。
 これらのことに対して果たしてきたJAグループの役割は評価されるべきだと考えますし(あ…別にガチガチの系統信者ではありませんが…)、それは、“産地”を強化する、といった命題に取り組んできたことがベースにあったことを見逃してはならないと思うのです。」
参加者皆一様に唸るしか…頷くしか…ないようでした。
(非常に北海道的…協同組合理論?)

 ちなみに民業参入や系統金融の役割について、
「ひら農園さんでは、どうされて、どうお考えですか?」
に、
「メインバンクはJA…ただし、どちらが特か損かは今のところ、その選択肢は非常に狭いです。例えば、バブル崩壊後、地元信金は顧客開発に非常に力を入れています。『地元の金は地元に還元するべき』を看板にしてですが、ノウハウがない分だけ随分しっかり汗をかいて歩いているようです。気持ちの弱いヒトだと、そんなラブコールにクラッとしてしまうんではないですか?
 一方、系統JAはいわゆる殿様商売…組合員だからJAから借金するのが当たり前…の世界です。

 ある友人ですが、メガバンクとお付き合いさせていただいたそうです。もの凄いラブコールにクラッ…としてしまったのでしょう。しかし、いざお付き合いしてみると、なんとなく系統の方が“特”ではないが、“楽”だったかな…と…
 これを称して『浮気して初めてわかる妻の良さ』(byエロファーマー川柳…?)ってところでしょうか…あ…あくまでも、一般論ですよ!私のことではないですから…」
 一同爆笑(大学の先生達もこういうネタは好きなんだ…)

 懇親会の席では、東大の教授に「優等生のわかぞーだなっ!」などといわれ、ここでもアルコールが手伝って、おおいにもりあがりました。
 同じコメンテーターの横浜大学の経済学の教授の
「お話、上手ですね〜」
に、
「いえいえ、実は予習と復習これでもしっかりやっているんですよ。
 例えば、帰宅して家内に『今日はどんな会議だったの?』を、わかりやすく、難しくなく、しかもつまらなくなく説明するのってけっこう大変なんですが、そういうことが出来ないと結局『オンナ、コドモはだまっとけ!』みたいな政治的、社会的風土をかえることは出来ませんよね〜
 もともと、政策議論自体は難しいしつまらない話ですから…」
その教授曰く
「おっしゃるとおりです。学生を前にした講義も工夫の足りないものがたくさんある…身につまされます。」

 むしろ自身には足りないものだらけなのを、再確認するのですが同時にそれなりの手応えを掴んだ半年ぶりの東京会議は、沢山の復習資材をかかえて、人生の夏休みを折り返すのです。(AFC12月号に掲載予定だそうです〜)

【親切にされると】
 東京延泊…ホテルのチェックアウトのロビー
 丸の内は北農中東京事務所に、顔を出そうかと思っていたところに、支所長が…
「どうしました?その足?」
「いえ、別にたいしたことありません…って、そんなこと言ってばかりいると、どこかの農林大臣みたいですかね…」
…あはははーっ…(うけてよかった〜)
 政策議論の転換期に、特に北海道畑作の担い手代表として東京にうかがうときなど側面からバックアップして助けていただいた支所長と、
「じゃ…品目横断のこれからの作戦は?」

 …を、話し込んでいる内に北農中の元常務、戸塚さんとばったり!
「どうした?その足?」
「いえ、別にたいしたことありません…って、言いはっていると、どこかの農林大臣みたいですかね…」
…ふはは…(まあまあ、うけてよかった〜)
「北海道にいても、会えないのにこんなところで…」
 前経団連会長の奥田さん(トヨタの会長さん)の娘さんが、地元農業者に嫁いでいるネタを当時の戸塚常務からうかがい、
「そこで、北海道でも経済界は農業とコラボレートで、その手始めにまず青年部がやってみてくれ〜」
と、道経団連事務局と道青協役員の意見交換をプロダクトしていただいた恩人…
「若いんだから、ちゃんと治しなさい!」
「はい、人生の夏休みだと思って養生と、修練します。」
「うん、それくらいでないとな…」

 では、失礼いたします…と、わかればな
「おー、ひらくん!」
と、北農中 飛田副会長。
「お、おはよーございます!」
「なんだ!どうした?その足?」
「いえ、別にたいしたことありません…って、ごまかしていると、どこかの農林大臣みたいですね…」
…ぷっ…(そろそろ、しつこくなってきた〜)
「ところで、ひらくん…この前の日経ビジネス、ありゃどうした〜なんか違うな…と思ったぞ!」
「申し訳ありませんでした。浅野課長(水田農業課)経由で取材模様のコラム(5月号)、副会長に読んでいただくように頼んだのですが…」
「うん、読んだよ、でも、あの書かれ方だと納得できんだろうが…」
「はい、ニュートラルに取材して欲しいと申し入れしておいたのですが、やられました。けしてヒステリックに“反対!”を、言っているのではないのだと…」
「そうだ、逆に取られたな。誰かがそれを言ってくれるのではないかと狙っているんだ…俺も、やられたことがある。気をつけてくれないと困るぞ!」
「すいませんでした。今や、いち農夫ですから、脇が甘くなっていたかも知れません。気をつけます。」
「うん、いやいや…ヒトを疑ってかからないとな、特にあーいうマスコミ業界は…」
「はい…申し訳ありませんでした…」
(あ…素直に謝りすぎたかな〜思ったこと思いついたようにパーパー言うなって事?だよね…ピュアで騙されやすいから気をつけれ…ってことね〜でも、意外と悪党なんだけどなぁ…)

 すっかり、いい時間になったので、久々の大手町に移動…たまたまでしたが、全青協の理事会だったようで懐かしい僚友と笑顔の再会を果たしました。
「あら!どうしました?その足?」
「いえ、別にたいしたことありません…って、ちゃんと説明しないと、どこかの農林大臣みたいですね…」
…がーはははーっ…(もう、このへんでいいわ〜)

 懐かしさにまどろみたかったのですが、やはりこのギブス…移動にけっこう時間がかかるし忙しそうだったので、そろそろ失礼しますと席を立つと、事務局女史が
「おかばん、お持ちします…」
と、脱臼しそうなくらい重い鞄をもってお見送りしてくれました。
「重いし忙しいのに…ありがとうね〜」
「いえ…大丈夫ですよぉ。アキレス腱、大事にして下さいね〜」
 実は、全青協事務局女史、京都美人で背が高くてしかも北のエロファーマーにとても優しい…(←でた!勘違いヤロー…ちなみにファンクラブがあるようですが…)
 久々の再会に、しかもこんなに優しくされて胸がいっぱいに…結局、小雨の中、車を拾ってもらうまでのしばしの間、その優しさに心も、足の傷も癒されるのでした。

 もし、そんな優しさが伝染するのであれば誰にうつしてあげましょうか…
 親切にされると美味しいものを食べるときと一緒で、心が豊かになるようですが、では次回、上京時は北の美味しいスィーツをお土産に…
 それまでにはリハビリをしっかりやって、アキレス腱も白い恋人(北の恋人…?)も復活していることを別れ際、お約束するのでした。

【やばいって…まじ、うまくない?】
 9/19
 今年も、神奈川県は平塚農業高校の学生達が修学旅行でやってきました。事前学習をしてきたようで、レクチャー・質問タイムでは、
「北海道で農業をするうえで注意しなければならないことはなんですか?」
とか、
「肥料代、農薬代はいくらかかりますか?」
とか、
「ジャガイモの美味しい料理方法はなんですか?」
といった、農業高校生らしい質問があって、それらしくレベルの高い課外授業が出来ましたが、おそらく彼らにとって一番インパクトが強かったのが、
「モンロー主義ってなんですか?」
に、答えたときだったのでしょう。
 事前資料を配信してあったのですが、十勝人の気質でいわれている“モンロー主義”に対しての質問でした。

「モンローはアメリカ合衆国第5代大統領で、時のヨーロッパ諸国に対する政治的姿勢の“相互非干渉”を提唱したことに由来します。日本語だと、唯我独尊、オレはオレ、アナタはアナタ…そんな意味合いでしょうか…
 そして、十勝人がそのことを言われているのは開拓の歴史性からなるものだと、言われています。
 北海道の開拓の歴史は140年前から…その地域性からいって非常に特徴的なものでした。道央…札幌、石狩、あるいは旭川といった水田地帯は官主導、つまり屯田兵や開拓使による開発がなされたのに対し、十勝は民主導の開拓背景がありました。それは、より地理的、気象的条件が厳しいことによる開墾の実状があったからです。
 しかし、その民主導の開拓は結果的に悪代官的な当時の道庁の横やりなどを受けながらでも、逞しく開墾の鍬を止めることがありませんでした…なぜならそこには、耕すべき大地があったからです…!
 こうして、先人達は夢と自由の大地を自身の汗と時の政府の後ろ盾を持たないリスクを抱えながら手に入れていくのです。これを背景に『頼れるものは自分のみ…』といった、ところからモンロー主義が醸成されていったのだと言われています。」

…耕すべき大地があったから〜

 このフレーズに、一瞬どよめき…(高校生相手に、格好つけすぎかも…)
 若者は、反応がいいからこの手の講義は、本当に楽しい…つまらないときは本当につまらなくしているし、楽しいとき感動したときは身体と心を全開にしてそれを表現します。

ヒラリーが
「力の入ったところで、講義はそれくらいにして、お仕事してくれたご褒美に…」
と、ふかしたてのジャガイモと、とれたてのミニトマトと、ゆでたてのトウモロコシをご馳走すると、これまたその反応が上々
「やばっ!まじうまくない?!」
(→たぶん彼ら的に最大級の賛辞なのだと思うのですが…)で、嬉しくてたまらなくなってしまいます。
 青春は、もちろん楽しいことばかりではないし、傷つきもするけど、やはり若いということはすばらしいことなのだ…と、思わずにはいられないのでした。

 素直で、ときめきと輝きをはなつ若者達よ…そのまま真っ直ぐに育て… そして、君たちの未来をあきらめるな…
 そんな願いを込めて、出発するバスに手を振り続けるのです。
 これからの、若者を待っている現実を考えると無責任にただ、「がんばれ!」だけを言えるものではないですが、漫然としたなかにもそこにある真実を見いだすことが出来れば…あるいは拓ける何かが希望と共に見えてくるかもしれない…
 彼らが見て、彼らが感じて、彼らに伝わるものが、はたして彼らの何かを動かすことができるでしょうか…

 小麦を播き終わらせて、ギブスともお別れ…人生の夏休みもここらで一区切りです〜
 貴重な出会いや手に入れた大切なものを想うとき、しばらくのリハビリにしっかり汗をかかなければならないと、少しわがままなカカトに言い聞かせるのでした。

PS
 読者の皆様には、ご心配、ご迷惑をおかけしましたが、角質層が溶けかかったカカトは生命反応満点に蘇生いたしました。完全復活はもう少し先になりそうですが、激励をいただきましたこと感謝いたします。
 収穫の秋の喜びを今年もたくさんの方達と分かち合えそうですが、松葉杖に耐えながら、この秋はより多くの喜びを恵受出来るものと思います。何かの機会に、そのお裾分けが出来れば…と、思っておりますが〜

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